おすすめ小説とは別に、今年このブログを書いていて感じた雑多なことを書きます。
・超大作について
私が「小説家になろう」で一番読みたいと思っているのは、だんだん世界が広がっていくような超大作です。
まあ、ぶっちゃけていえば、栗本薫が亡くなって「グイン・サーガ」を読めなくなった穴を埋めたい……と思って探しています。もちろんそれだけではないですが。
そういう意味で「
呪印の女剣士」に巡り合えたことは幸運でした。それ以外だと、今年ベストに挙げた「
生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい」もそういう感覚を味わわせてくれました。
あとは、「探求大都市のマリー」とか「
無職転生」でしょうか。超大作ならではの面白さがありました。
ですが。
長い作品でも、あまり世界が広がった感じがしない作品もありますよね。なんか繰り返しみたいになってしまっている作品。
そこそこ面白い作品――たとえば、「
食い詰め傭兵の幻想奇譚」や「
レイロアの司祭さま~はぐれ司祭のコツコツ冒険譚~」は今も楽しんで連載を追いかけていますが、大作ならではの面白さは乏しい気がします。
そして、序盤の設定だけはしっかり作ってあるけど後は劣化していくだけ……というような作品! そういうタイプの大作はあまり読みたくないのですが、連載を続けるのは難しいし、熱量は落ちてくるし、そういう作品が多くなるのは理解できる。
・このブログでの作品評価について
そういうことを踏まえて、このブログでの評価のこと。
このブログでの五段階の作品評価は、基本的には、序盤十万字あたりまでを対象に作品の内容だけで決めています。その後、劣化しても評価は下げていません。「書籍一冊分までが面白いなら良いよね」という感じで。だんだんと劣化していくのは仕方ない面もありますしね。
ただし、逆に、連載が進むにつれて面白くなっていったものは評価を上げています。途中までは退屈だったけど、登場人物が増え、伏線が回収されるにつれ面白くなっていった……たとえば「呪印の女剣士」タイプですね。
ただ、これだと、序盤だけに力が入っていて後は手を抜いているような作品の評価が上がってしまうんですよね。最新話まで読んだらあんまり面白くないのに高い評価……というのは評価を付けている側としてもあまり気分良くないです。
たとえば、月夜涙さん。
序盤の設定の仕方は上手いし、文章は読ませる。それに、大体十万字くらいでどの作品も一区切りついているのだから、そこで完結してどんどん次の作品に取り掛かってくれれば、もっと気持ち良く評価できるのですが……。
・パクリのこと
当ブログで今年扱った作品でパクリ疑惑があったのは以下の通り。
・「
回復術士のやり直し~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~」が「
二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む」のパクリ疑惑
・「
異世界転移~命が『たった一つ』しかない異世界で、最強の『最弱職:コレクター』が行く神器探しの旅~」が「
このすば*Elona」のパクリ疑惑
・「
異世界国家アルキマイラ ―最弱の王と無双の軍勢―」が「
エステルドバロニア」のパクリ疑惑
あと、最近では、
・「
勇者パーティーから追放されたおっさん、幾千のスキルを駆使して辺境の地で自由気ままに生きていく」が「
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」のパクリ疑惑
もありますね。
私の主観で言えば、どれも元作品を意識して書かれたのだろうと思っています。偶然似たとは思えませんでした。
(個人的には今でも、この中では「異世界転移~命が『たった一つ』」の罪は軽いと思っているのですが、多分、私がストーリーラインを重視して読んでいるせいなのでしょうね。別の点を重視する人にはこれが一番問題と感じるのかも)
ただ、「異世界国家アルキマイラ」が現在問題になっているようですが、これ、書籍化決定が原因というのはなんかなぁ、という感じ。疑惑自体は人気が出た当初からあったはずなので。作品の質云々ではなく、金銭とかの問題なのかなぁ、と。すっきりしない気持ちです。
それを見ていると、ちょっと深追いし過ぎたかなぁ、とも感じてしまいました。
元ネタがあることは知って読みたい(のでそういった指摘はありがたい)ですが、その度合いとか、盗作と呼べるかどうかといったことは考えても仕方ないし、考えるべきじゃなかったかなぁ、と。
今の「なろう」と書籍化を別に考えることは難しいかもしれませんが、書籍化作家だとか書籍化作品だとかいうことは考えずに、もっと素直に、純粋な気持ちで小説を読んでいきたい!