(~59、最新話。第二章まで。)
2024年12月から四半期ランキングTOP5に入り、現在四半期ランキング二位の作品。このブログで月島秀一さんの作品を扱うのは「
断罪された転生聖女は、悪役令嬢の道を行く!」以来です。
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主人公は超大作RPGの悪役貴族に転生。作品中の彼はあらゆる才能に恵まれているが、怠惰で傲慢なためあらゆるルートで死亡する。主人公は、原作の知識をいかして努力を重ね、キャラクターが元々持っている情動にあらがいながら、生き残る道を探る。
ゲームの悪役への転生・チートスキルもの。
悪役へ転生して生き残るために努力するという王道設定の作品だが、主人公の能力も知能も最初から極めて高いというのは珍しいかもしれない。努力はするものの、題名にあるような「謙虚堅実」という印象からは程遠く、かなり横暴に危険を処理していく。
主人公が自らのプラン通りいかなくて悩む場面はあるものの、ゲームの知識は遠慮なく使うし、戦闘で苦戦することなどはない。そういう風に、主人公最強がはっきりしており分かりやすいのはこの作品の良いところか。その分、物語の深みはないが、はっきりしており読みやすいものになっている。
テーマやあらすじが一直線なため、月島さんの作品の中では出来の良い方かと思う。
少年漫画(「HUNTER×HUNTER」など)の有名セリフを使うという月島さんの癖はあいかわらずだが、ネタとして許容できる範囲にはなっているか。
ただ、ゲームの設定はちょっと気になった。
全てのキャラクターに個別ルートが設けられたゲームへの転生ということだが、主人公でもない、あらゆるルートで死亡するような人物がずっと生き残るルートがあるらしい、というのはどういうゲームなのだろう?
主人公はゲームについての広範な知識を持っているようだが、誰のルートで何の知識を得たのかが分からない。突っ込んでも仕方ないとは思うけれど、無理のある設定だなぁ、と思ってしまった。