(~217、完結済み)
「
地獄の沙汰も黄金次第」「
左遷錬金術師の辺境暮らし」の出雲大吉さんが以前はどんな作品を書いていたのか気になって読んでみました。
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現代にダンジョンが出現した世界。主人公は、ダンジョン探索の実力はあるが、問題行動ばかりしていたため評判が悪かった。そんな中、同級生のアイドル歌手の新人指導を行うことなるが、その途中で女に性転換する。主人公は女になったこと自体はすぐに受け入れるが、男に戻るためのアイテムを手に入れるため、パーティーを作ってダンジョンの深層を目指す。
現実世界にダンジョンができたというタイプの作品。俺様系でバカな主人公がパーティーを作ってダンジョンを攻略していく。
よくある設定で、ダンジョン攻略という軸もあるのだが、面白いのは人間関係の部分。主人公は性格は悪いが決して悪人ではない。その性格自体が変わるわけではないのだが、パーティーを作り、人間関係を築いていくのが面白い。
物語として行き当たりばったりな感じはあった。丁寧に作られた作品という感じはしないのだが、登場人物たちが生き生きと動いている感じがあり面白かった。
その辺は、「地獄の沙汰も黄金次第」「左遷錬金術師の辺境暮らし」とも共通する部分か。主人公の性格が悪いのも共通している。
ただ、この作品はちょっとテンプレ要素が強いとは思った。主人公の性格も、ちょっと短絡的でガキっぽさが過ぎる気はした。
「地獄の沙汰も黄金次第」や「左遷錬金術師の辺境暮らし」ではそのあたりが改善していると思う。主人公をもっと落ち着いた感じにし、人間関係や会話に焦点を置いたことで、さらなる面白さに繋がった気がする。