(~236、完結済み。外伝などは未読)
2020年に連載されていた作品ですが、今年アニメ化し、九月から現在まで四半期ランキングTOP5に入っている作品。
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主人公は、極度の人見知りだが、才能のある魔女。無詠唱魔術を発明し、〈沈黙の魔女〉として七賢人に選ばれた後、森の中で暮らしていた。しかし、学園に通う王子を秘密裏に護衛するため、学園へ潜入するよう命令され、立場を隠して学園へ。大人しい性格と見た目のため、その本当の立場がバレそうになることは少ないが、しかし、王子について謎があることに気付き、そこに自分の過去が関わっていたことが分かってくる。
面白かった。
序盤、主人公の設定や、学園への潜入のあたりはコミカルで、コメディタッチな学園もののライトノベルなのかな? と思わせるが、その後のストーリーはかなりシリアス。魅力的で分かりやすい性格の登場人物たちを使って、軽快な書き味にもかかわらずシリアスなストーリーを奏でているのが特徴的。
学園に潜入した主人公が、偶然の出会いから生徒会会計に任命されるあたりは非常にコミカルだし楽しく読める。しかし、それ以降、各章で起きる事件はどれもなかなかシリアスで、残酷なものも多い。伏線も多く隙のない展開が続く。
主人公も、設定や性格はコミカルだが、重い背景があり、作中の事件とその繋がりが明らかになっていく。構成が非常に練られており、序盤から張られている伏線も効果的で、最後まで緊張感が途切れなかった。
問題があるとしたら、ちょっと隙がなさ過ぎるところか。
各章で事件がしっかり作り込まれており、気楽に読んで良い話がほぼない。内容が重いため、途中からはコミカルな設定があまり生きていない気がした。外伝も大量にあるので、書籍版やアニメだと違うかもしれないけれど。
アニメの評判も良いようですね。こんな面白いならアニメも見るべきでした。