(~47まで読了。完結済み)
2024年11月から、最近まで四半期ランキングTOP5に入っていた作品。
https://ncode.syosetu.com/n9999jp/
主人公は第一王女だが、兄が、獣人族が住む隣国皇帝の皇妃候補を妊娠させて捨てたという不始末の代償に隣国の皇帝に嫁ぐことになり、以前の婚約者からも見捨てられた。騎士団のトップにつくほどの圧倒的な力を持っていたがそれも評価されていなかった。もちろん、兄の不始末のため隣国では反感を持たれており、幸せになれるとは思えない。しかし、隣国に行くと、自分が隣国で貴ばれる魔女ではないかと分かってくる。
望まない結婚をしたけど幸せになる、というタイプのストーリー(作中ではまだ幸せといえるところまでいっていないが)。そこに、主人公が実は魔女(この作品では「魔女」という名前だが、他作品だと「聖女」としていることが多い内容です)だった、というのを絡めている。
現在までの部分では、皇帝の側近一人と主人公の関わりが主に描かれているのだが、二人の性格・関係性の移り変わりが丁寧に描写されていた。
ストーリー自体はよくあるものだけど、主人公が獣人が住む国の空気に触れて既視感を覚え、魔女である自分を見出していくのはファンタジーの香りがする味わい深いものになっており、結構楽しく読んだ。RPG風のファンタジーというより、正統派ファンタジーに近い世界観なのが良い味を出していると思う。
なお、「小説家になろう」では完結済みになっているが、書籍化し、書籍版で続きが書かれる予定のようです。ここで完結するのがおかしいとは思わないけれど、主人公の結婚の行く末はまだ分からない状況なので、もう少し続いた方が収まりが良いとは思います。