(~56、最新話)
現在四半期ランキング四位の作品。
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「失われた技術」ものとでも言えばいいのかな。
一般になんて呼ばれているのか知らないのですが、「
失格紋の最強賢者 ~世界最強の賢者が更に強くなるために転生しました~」と同じで、久しぶりに目覚めたら膾炙していた技術が失われていた、という設定です。
主人公は女錬金術師で、仮死状態から200年ぶりに目覚めたら錬金の技術が失われていた、という話。主人公は天然で、自分の技術がどんなに貴重かがぴんと来ないため、色々と危険な状況を産んでいることに気付かず、のほほんと錬金術を使って生計を立てていく。その部分だけ切り取れば勘違いものといってもいいかもしれない。
ただ、全面的に錬金術が失われたというわけではなく、帝都では錬金術師が残っている……というあたりの設定が非常に上手い。ちょっと天然でぼんやりとした女の子の日常を描いていくという意味では、「
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~」などを思い起こさせるが、さらにしっかり設定を作っている印象。出てくる登場人物もみな、生き生きとしています。
また、文章も軽すぎず、重すぎず、読ませるものになっていると思う。今のところとても面白いです。
作者の活動報告を見ると、小説を書くのはこれが初めて、とのことだが、ちょっと信じがたい。確かに、段落を付けていない最初の二話は妙に読みにくかったけど……。初めてでこんなに書けるものなのかなぁ。
正直いって、題名で損している気がした。題名を見ただけでは、こういう話だとはなかなか想像できないんじゃないかなぁ。逆に言えば、全く違う話を想像して開いた人もブックマークしているんだということだから、素晴らしいと思う。
このままの調子で続くと嬉しいです。