(~60まで読了)
六月から一ヶ月間ほど四半期ランキングTOP5に入っていた作品。
https://ncode.syosetu.com/n4561kd/
倹約家だった主人公は性格が悪く嫌われていた5歳の小物貴族へ転生。非常に優秀な姉と違い魔力の才能がなく、生活スキルしかなかったため、小物らしい動きで上手く世を渡ろうとする。ただ、人とは違う魔力の成長を取ったため戦闘能力も伸び、注目を浴びるようになる。
異世界転生もの。
元々の主人公の才能は高くないが、人とは違った動きをすることで才覚を現していく。
主人公の語り口が面白い。
自分の小物性を受け入れ、内心では嫌いな目上の人に対しても躊躇なく太鼓持ちをし土下座までしたりするようなギャグも楽しい。そんな態度を取りながらこつこつと努力もし、成長していく様子には好感を持った。
……が、ちょっと主人公が強くなり過ぎてしまったのではないだろうか?
途中から主人公が強くなって小物感が薄れてしまったと思う。それと共に、ギャグ要素も減り、主人公の語り口の面白さも減じてしまった気がする。時折、主人公が小物感を出したセリフを言うのだが、それも序盤と異なり、主人公が自分の強さが分かっていない「勘違い」系の内容になってしまった。
それがダメというわけではないけれど、この小説の独自性は減り、よくあるなろう小説っぽくなっていった気がした。