(~29、最新話)
現在四半期ランキング四位、多数の書籍化作品を持つ月夜涙さんの新作。
http://ncode.syosetu.com/n7521dy/
このブログでも以前、「
魔王様の街づくり!~最強のダンジョンは近代都市~」と「
回復術士のやり直し~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~」をレビューした月夜涙さんの新作。多数の作品を並行して連載しながら、どれも四半期ランキングTOP5に入れてくるのは凄い。
私の月夜さんのイメージは、「なろう」の人気の設定を上手く組み合わせる作者という印象。オリジナリティという観点ではあまり評価できないけれど、軽快で読みやすい文章と勢いのある話の展開で読ませる作品を書く方だと思っています。
ただ、設定や序盤は面白いけれど、ちょっと話が進むとだれてくることが多い。序盤以外はその場その場で無理矢理話を作っている印象。趣味嗜好の問題でもあるけれど、上記二作では、ただチートなだけでなく、ハーレム展開や残酷な描写が増えてくるのも鼻についた。
この作品は、大賢者がスライムに転生して、養女たちの成長を見守るというストーリー。主人公は元々大賢者だし、スライムも能力が高すぎるため、チートものとしてはなんでもありの部類であり、戦闘シーンの緊張感などは期待できない。
だが、主人公は養女たちを見守るというスタンスでチートや戦闘自体が本題ではないため、そのあたりはそれほど気にならないと思う。全体的にはほのぼのした雰囲気で気楽に読める。
また、最初からハーレムといえばハーレムなのだが、主人公と養女で意志が通じていないため、過去作に比べるとあまりそのあたりは煩わしく感じないと思う。
今後、話がだれる可能性はもちろんあるけれど、まだ五人いるはずの養女のうち二人しか登場していないため、五人登場するまではしっかりと物語が綴られることが期待できる。なので、上にあげたような月夜涙さんの欠点がうまく解消されているかもしれない。
月夜涙さんの一作一作を軽んじている感じはあまり好きになれないし、過去作は先に完結させた方がいいんじゃないかな、とも思うのだけど、それなりに工夫して新作を立ち上げているのかなぁ、と感じました。