(~84、最新話)
現在四半期ランキング五位の作品。
正式な題名は、「Sランクパーティーのお荷物テイマー、使い魔を殺されて真の力に目覚める 〜追放されたテイマーは実は世界唯一のネクロマンサーでした。ありあまるその力で自由を謳歌していたらいつの間にか最強に〜」です。
https://ncode.syosetu.com/n2142gb/
「勇者パーティから追放」もの。
パーティーのお荷物だった(と思われていたし、自分でもそう思っていたが、実際は縁の下の力持ちだった)主人公が、ダンジョン内で見捨てられたことで、ネクロマンサーの能力に目覚め最強になる。その後、元パーティーと決別した後、
ヴァンパイアのヒロインと出会って、二人でSランクパーティーとなり、冒険する。
勇者パーティーから追放~復讐の展開は定番。その後、知識も能力も優秀なヒロインと出会うというのは今もランキングにいる「
黒鳶の聖者」と共通。こういう展開が流行っているのでしょうか?
「勇者パーティから追放」タイプの元祖の作品が何かは知りませんが、「なろう」でこのタイプが流行った切っ掛けの一つだろう「
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」は2017年の作品。二年半も経つんですね。
ただ、当時は勇者パーティーから追放→スローライフの展開が主だったのに対して、最近はその後も冒険を続ける話が多いのでしょうか。
さて。この作品、出来は、悪くないと思います。
コンセプトに沿って物語を描けている。主人公が追放された理由もちゃんと書かれているし、元仲間パーティーの心情も分かる。復讐シーンも過剰にならない範囲で描けている。
復讐が一段落した(まだ、今後も元パーティーとの絡みはありそうですが)ので、後は通常の冒険者としてのストーリーだけれど、ヒロインのヴァンパイアが結構上手く描けているので、今のところ悪くない。
オリジナリティはなく、伏線とか、物語の奥行のようなものは乏しいけれど、読みやすさを重視しているともいえる。
と、設定も展開もそれほど悪くない印象ですが、主人公の能力をちょっと強く設定し過ぎた感じはします。これから物語を動かすのが難しくなりそう。
また、一話一話が短いため読みやすくはあるのですが、更新回数の割に話が進んでおらず、今後へ期待しにくい気がします。
コンセプトに沿った作品としてそこそこの出来とは思うので、評価はどうしようか迷ったのですが、物語の厚みの乏しさを重視して「イマイチ」にしました。
でも、「勇者パーティから追放」が好きでヒロインを気に入れば、楽しめる作品だと思います。