(~198、最新話まで読了)
こちらのコメントで紹介してもらった作品。「カクヨム」に投稿された作品で、そちらのランキングで上位に入っていたこともあるようですが、普段「カクヨム」のランキングをチェックしていないためよく分かりません。
https://kakuyomu.jp/works/16817330658027210412
現実にダンジョンがあるという設定の話。主人公は女子高生ダンジョン配信者。アニメの優雅な探索者に憧れ、ドレス姿でダンジョン配信をしているが、そのせいで、実力はあるのにフェイク動画だと思われ視聴者数が伸びなかった。しかし、ダンジョン下層で他の配信者がしようとした危険行為を止めたことが配信にのり、主人公の強さが衆目にさらされたことでチャンネル登録者数が一気に増える。その後、主人公の強さが規格外だと知れ渡ると、活躍の幅が大きく広がっていく。
現代ダンジョンもので、ダンジョン配信を中心に物語に据え、視聴者のコメントや掲示板回で話を盛り上げていく作品。規格外の主人公の活躍を作中の視聴者と一緒に見て盛り上がれる感じが楽しい。
主人公の性格付けも絶妙。基本的には素直な性格なのに、アニメの世界観を信じているため、自分の力が唯一無二だと思えず、視聴者にコメントで言われても信じず、世界には自分より強い人がもっとたくさんいると思っている、というのが良い。応援したくなるような性格になっている。
ただ、最初から主人公が異常に強いため、主人公が攻略しているダンジョンがどれくらい難しいのか、主人公がどれくらい強いのか、強くなっているのか、というのが分かりにくいのは問題。主人公と比較になるような人間とか強いモンスターとかが出てくるけれど、それらの客観的な強さは分からないため、読者としては、作中の視聴者のコメントでその強さを理解するよりない。
また、現実にダンジョンができたという作品の多くでは、「その力はダンジョン内でしか使えない」といった制限がついているけれど、この作品ではそういう縛りはない模様。それで、現実とあまり変わらない国家・政治などが続いているというのはかなり無理のある設定じゃないだろうか? 敵の組織のようなものも出てくるけれど、それも大分無理がある設定に感じる。
まあそのあたりは考えずに、作中の視聴者と一緒に主人公の活躍を楽しむ作品だと思う。結構突っ込みどころはあるけれど、ずっと楽しく読めた。
ところで、私は「カクヨム」のレイアウトに苦手意識がありあまり読んでこなかったのだけれど、今回問題なく読めたのは良かった。「カクヨム」の方ももっと読んでも良いのかなぁ。