(~第九章第150話)
異世界召喚もののダークファンタジー長編
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なかなか評判がよく、”ダーク”ファンタジーというところに惹かれて読んでみた。確かに、第一章、導入の部分はなかなかダークで面白い。……が、それ以降、第二章になるとダークさは薄れ、第一章で過酷な目にあったことによりある種「チート能力」持ちになった主人公の普通の異世界召喚ものになってしまう。
それ以降、時々挟まれる(たとえば第五章、第九章のような)戦闘シーン、シリアルパートは面白いのだが、それ以外の部分が平板で魅力に乏しい。粗筋は悪くないし、文章も(上手いとは思わないが)下手ではない。小説として及第点には達しているのだが、登場人物が多い割にキャラクターが立っていない気がすることや、全体的にテンポがあまり良くなく、同じような書き方が多いのが気になった。
このあたり、文章を整理し、描写に緊張感をもたせることができれば大分改善されそうで、編集しがいがある小説にも思う。書籍版では大分改善されていても不思議ではないが、どうなのだろう。
いずれ第一章並みの緊張感へと回帰するのでは……と第九章まで読み進めてきたが、「上手くいった後、落とす」の繰り返しになってきたため、私が読むのはここまでにさせてください。本質的に下手だとかそういうわけではないため、この後ぐんぐん面白くなっている可能性もあることにはあるけれど。
カテゴリーを「イマイチ」にしたのは、イマイチというほどつまらなくないが、「
無職転生」などの異世界転生もののスタンダードな良作に比べると劣ると感じたためです。