以前、
レビューした「無欲の聖女」(旧題:無欲の聖女は金にときめく)が完結しました!
以前のレビューを書いた当時も「完結済み」になっていたのですが、その後、昨年夏に第二部が、そして一昨日(2017/6/26)まで完結編が書かれていました。
また、上記のレビューで「
夜伽の国の月光姫」と似ていると書きましたが、最近の
活動報告で、作者の中村颯希さんは、「夜伽の国の月光姫」をリスペクトして書き始めたとはっきり書いています。当時そのような発言があったかは分からないのですが、この二作品が似ているのも当然ですね。
また、最近、この二作品のコラボ作品が連載されていました。「
聖女の国の月光姫」です。近日中に読んでレビューする予定。
さて、「無欲の聖女」。
個人的に第二部はちょっと展開がまどろっこしいような気がしました。悪くはないのですが、第一部ほどはうまく纏まっていない印象。ちょっと「勘違い」が強引な気もしましたし。
ですが、今回の完結編はとても面白かった!
この作品だと、勘違いものであることは読書の誰もが分かっているし、主人公は最終的に救われるだろうと思って読むため、主人公がピンチでも緊迫感はあまりなく、どのような落ちをつけるのか、という視点で読んでしまいます。作者のハードルも上がったと思うのですが、今回は、だんだんとハッピーエンドになりにくそうな話になっていくため、どう結末をつけるのか非常に気になりました。また、主人公と入れ替わった女性視点を入れたのも話が重層的になり良かったと思います。
「夜伽の国の月光姫」の影響が抜け切れていなかった第一部。人気になった第一部の続編ということで、若干、から回った印象もある第二部。それに対して、完結編では今まで書かれてきたキャラクター達が上手く動き回り、プロットもよく纏まり、見せ場もある非常に良い出来だったと思います。面白かったです!
個人的には、この完結編で、「夜伽の国の月光姫」を超えたんじゃないか、という印象を持ちました。オススメです。(完結を機に、評価も「オススメ」に上げました)
追記)「
聖女の国の月光姫」は面白かったですが、改めてレビューするような話でもないですね。二つの小説のファンのための特典のような小説でした。こうして続けて読むと、「夜伽の国の月光姫」作者の青野海鳥さんは地の文で笑わせるタイプで、中村颯希さんの書き方とは違いますね。