(読了、完結済)
TS、勘違いもの。
http://ncode.syosetu.com/n3386db/
守銭奴の少年が美少女と肉体交換し、「無欲の聖女」に勘違いされていくというTS・勘違いもの。……というわけで、私はこれを読みながら「夜伽の国の月光姫」を幾度も思い出しました(そして、このブログを見たらレビューし忘れてたようなので慌てて書きました)。作者のページを見たらブックマークがあったので、作者もファンなのかな? 言うと悪いかもしれないけど、非常に似ています。異世界転生要素はないけれども。
ただ、出来はとても良いです。パクリになっていない。
「夜伽の国の月光姫」の主人公がちょっと人を選ぶ性格をしているのに対して、こっちはまともな主人公で感情移入しやすいため、若干読みやすいと思います。ただその代わり、インパクトは薄くなっている。ストーリーも「勘違い」ものとして王道を行っており、特に欠点らしきものは見当たりませんでした。
というわけで、「夜伽の国の月光姫」と甲乙つけがたい出来だとは思うけれど、上回っているとまでは思えませんでした。でも、こういうタイプの作品が好きな人には十分おすすめできる作品ですし、「夜伽の国の月光姫」が好きだという人も是非。
しかし、「勘違い」ものって結構書くの難しいと思っていたけど、そうでもないんでしょうか? 後で辻褄合わせが利く分、プロットをそこまで綿密に立てなくてもいいのだろうか。いくら「夜伽の国の月光姫」があったとしても、良質な「勘違い」ものがこんな風に現れたというのはちょっと不思議。