今年の正月は、
去年のおすすめ小説でも挙げた、「
生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい」の書籍版を読んでいました。ネット版と特段の違いは感じなかったものの、書籍でじっくり読むのは良いですね。特に、この小説は(基本的には)スローライフものということもあり、縦書きでゆっくり文字を追うのには向いていました。
ただ、あれ? と感じた箇所が数か所。
「なろう」で読んだときは何も思わなかったはずなのに、どうしたのだろう? と思って「なろう」を見直してみると、改行の関係が大きかったようです。(「なろう」で読んでいたときは読み飛ばしてしまったということもありますが)
この作品、「なろう」では通常の段落とは別に、しばしば一行空けて場面転換を表現しています。大段落というやつですね。さらに、「***」という記号のみの行を挟むことでもっと大きな場面転換をしている箇所もあります。
書籍版ではこれがほとんど省かれています。全てただの段落になっているんですよね。そのせいで一区切りついたことが分かりにくくなってしまい、ちょっと引っ掛かる箇所が出てきてしまったようだ……と。
ただ私は、この改行に関する変更方針自体は正しいと思っています。このことは声を大にして言っておきたい。
ネット上で掲載する場合は、読みやすさ重視で改行や一行空けを増やすのは良いと思いますが、せっかく書籍版を出すのだから、じっくり縦書きで読むのに適したスタイルに直して欲しい。私はそう思っています。
「なろう」小説の中には、必ず毎文改行している作者さんも結構いますね。読みやすさ重視ならこれはアリだと思うし、実際このブログで「おすすめ」をつけた中にもそのスタイルの作品も結構あります。
ただ、書籍版を出すなら、この改行は全て削って欲しい。大段落も使っている作品なら、そこを段落に変えることで辻褄は合うはずなので。
しかし、実際は、書籍版でも毎文改行されているものもありますよね……。
はっきり言って、これは買う気が起きない!
Kindleなど電子書籍で読むならまだ良いかもしれませんが、紙で、縦書きでこのスタイルのものを読むのは私にはきついです。実際、書籍を買おうと思って本屋に行き、毎文改行しているのを見て諦めたこともあります。
これってどれくらい共感してもらえるんでしょう?
普段、紙で小説を読んでいるからそう思うのであって、昔からネット小説中心に読んでいる方だとあまり感じないものなの?
ただ、こういった変更は結構大変で、作者さんには負担が大きいんだな……というのが今回の感想でした。ネット上で読む分には問題がなかった箇所が問題になる、というのは気付きにくそうだし、修正するとしても手間取りそうですね。
(ところでこのブログは、改行の後に一字下げをしないスタイルで書いていますが、した方が読みやすいんじゃないかと思うこと頻り。ブログだと一字下げしないのが普通かな~、とか思って決めたのですが、失敗だったかも)
1. 無題
お世話になっております。
てぃるるさんのご意見に全面的に賛成です。
画面上の横書きなら改行多めのほうが読みやすいですが、紙の縦書きでそれをされるとひどく安っぽく感じてしまうんですよね……