(~40、第二章まで)
現在四半期ランキング四位、「
レベル1だけどユニークスキルで最強です」など多数の書籍化作品のある三木なずなさんの作品。
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異世界召喚からの帰還もの。
このジャンルでは、異世界で得たチート能力を現実世界でどう生かすか、がポイントだと思う。基本的には、チート的な強靭な肉体を得たところで、現実で活用できる場面は少ないはず。
この作品では、そのあたりの事情は深く考えられていない印象。
主人公は、現実世界に帰ったにもかかわらず、熊を倒してスキルポイントを貯めたり、ヤクザなどを倒して正義の味方になったりする。現実世界の人間の価値観とは思えないし、そもそも現実世界のリアリティが全くない。また、主人公だけがチート能力を持っているため、ライバルなどが出現する余地もなく、戦闘の面白さもない。
その後、同じく異世界からの帰還ものである「
勇者の活躍はこれからだ!」と同様、時事ネタなどを扱っていはいるのだが……。そもそも現実にリアリティがない上、解決する事件に深みがないため、面白いとは思えなかった。
異世界からの帰還というジャンルは、通常の異世界転生/転移などに比べると面白くするのが難しいと個人的には思っています。この作品も含めて、上手く書けていると思った作品に出会ったことがない。いい加減な設定で書き始めても、良い出来にはならないんじゃないかなぁ。