(~32、最新話。第一部まで。)
現在四半期ランキング四位の作品。
https://ncode.syosetu.com/n9066iw/
主人公は三体の精霊と契約し魔法の勉強を続けていたが、その精霊たちに(義理の)妹に自分たちを譲ってくれるよう言われる。精霊たちも自分のことを分かっておらず、妹の演技に騙されていることにショックを受けた主人公は、精霊たちを妹へ譲る。そんな失意の主人公の前に四体目の精霊が現れる。主人公はその精霊と契約するが、彼は非常に強い力を持ち、また、主人公への愛情が非常に強い精霊だった。
(義理の)妹との確執は「小説家になろう」でよくある導入で、チート級の力を得て復讐するストーリー自体はよくあるもの。
ただ、この小説における精霊は非常に人間に近い描かれ方をしており、新たに契約した精霊が嫉妬深く、彼との恋愛描写も絡めている。その精霊の結構アクが強い性格を楽しめるかどうかで、この小説を面白いと感じるかは変わってくると思う。
文体は、悪い文章というわけではないがやや情緒的で、「小説家になろう」のランキングに入ってくる作品にはあまりないものだと思う。さくさく読み飛ばすタイプのものではない。そのせいもあり、精霊の設定などでやや分かりにくい部分があった。
こういう文章の作品が「なろう」ランキングに入ってくるのは珍しいとは思うけれど、すごくよくできている、とは思えなかった。