(~31、最新話)
現在週間ランキング二位の作品。
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傷付ける行為が苦手で苛められていた主人公が、生け贄にされそうになったショックで人格が変わり、潜在的に持っていた強大な力を使いこなすようになる話。
序盤は復讐ものだが、復讐自体は結構早い段階で終了している。そして、復讐が終わっても主人公の人間不信は直らず、斜に構えた態度を取り続け孤独でいるのが特徴か。
自分に好意的な人に対しても距離を置こうとする主人公の態度や語り口は幼稚にも見えるが、最終的には他人の立場なども考慮して行動しており、実は現実的・理性的だといえると思う。自分を苛めていた人間も殺したりはせず、どちらかというと心理的に追い詰めているしね。
「なろう」の復讐ものの主人公は、異常にエキセントリックだったり、復讐が終わると信頼できる仲間を集めてハーレムを作ったりするものが多いが、この主人公のように人間不信のまま厭世的になるのはリアリティがあると思う。
また、主人公に好意を持っている者も、全面的に主人公を受け入れるわけではなく、自分の社会的立場を考慮して行動しているのもリアリティがある。
ただ、その代わり爽快感が薄いのが問題。
序盤の復讐劇はともかく、その後は、主人公もその他の人間も、一応の理はあるものの短絡的で、苛々するような行動を取ることが多い。そのため、敵を倒し仲間を救ってもすっきりせず、カタルシスは薄い。
テンプレの復讐ものよりは見所がある作品だとは思うけど、本当に面白いのか? というと微妙な気がする。ただ、最終的にはこの主人公の人間不信が治る……という展開にするんじゃないかとも思うので、それを期待しながら読むのはアリか。
1. 無題
ビクビク、おどおどしていたのがオラつくようになったところで不恰好。
いっそ憐れみすら覚える。
悔しさや憎しみを飲み込んだ(糧とした)先にあるのは、もっと成熟した人間性、のはずなんだかなぁ。やり返すなとは言わないけどさ。
……モラルへの認識が変わることは、人間的な成長とは、イコールじゃないことを、なろうのイジメから始まる主人公豹変系の作品は教えてくれるなぁ(呆れ)