(~42、第一章まで)
九月末~十月ごろ月間ランキングに入っていた作品。書籍化決定しているようです。
https://ncode.syosetu.com/n3668ef/
与えられたスキルが「血液増大」だったためヴァンパイアの王女と婚約した主人公だが、突然王女が婚約破棄、別の男、クロム伯爵との婚約を宣言する。落ち込む主人公。だが、その新たな婚約は、ヴァンパイアの国を侵略するための謀略だった。
題名はやや耽美的、副題は「なろう」テンプレという感じだが、描かれているのは主に三つの国の勢力争いや謀略である。その合間に主人公のハーレム展開が挿入されている印象。これから戦争が激化していきそうだが、まだ三国の関係などに関する説明が少なく、どんな世界なのか今一つ見えてこない。
また、個人的には読みにくい文章だった。間違いとはいえないが若干分かりにくい表現が多い気もしたが、それ以上に文体・形式が独特だと思う。
地の文の一文一文が短文で、ほとんどの文が読点一個。毎文改行を行い、二文~三文で一行開ける。大部分がこの形式を守って書かれてあるのだが、これは一般書籍でも「なろう」でもあまり見かけない形式だと思う。詩か戯曲でも読んでいるような気分がした。
これが独特のリズムを産んでいると思う。これをテンポが良いと感じる人もいるのだろうか? 私は苦手で、なかなか内容が頭に入ってこなかったのだが……。
なお、作者の他の作品を見てみたところ、(もちろん同じ作者なので似た傾向はあるが)この作品に比べると普通の文体だったので、意識してやっている(叙事詩のようなイメージ?)のかもしれない。