(~37、最新話)
現在四半期ランキング五位、三木なずなさんの新作。
https://ncode.syosetu.com/n8213ez/
兄が死んだことで領主となった男が主人公。主人公は本当は最強だが、公にしたときの面倒ごとを避けるため力を隠して暮らしている。だが毎回、隠そうとすることが裏目に出て主人公の名声が広まる、というパターンで、ほぼ一話完結形式の作品。
一話ごとに決まりきった落ちがある、というギャグマンガ(たとえば「
ラシャーヌ」のような)のような作品で、コンセプトはなかなか面白い。「なろう」でいうなら、進行諸島さんの勘違いものなんかに近いか。
このパターンがオリジナルかは分からないが、「なろう」受けしそうなパターンを上手く作って使っているな、という印象。気楽に読むには良い設定だと思う。今後、「なろう」で流行ってもおかしくない設定か。
ただ、主人公は力だけでなく頭脳も優秀という設定のようなのにそうは思えないとか、もう主人公の強さは世間にもバレていていいはずなのに、ずっと同じ感じで隠そうとしている、といった辺りは若干気になった。(もっともこれは、勘違いものの主人公がいつまでも勘違いし続けているのと同じで、突っ込んではいけない定型と捉えるべきかもしれない)
その他、色々と雑な部分はあるものの、今までの三木なずなさんの作品と比べると大分楽しめました。このパターンのままで物語に大きい流れを作ったり、泣かせる話を入れたりできれば良くなると思います。現状では一話一話で完結している印象が強く、続きが気にならないのはちょっと問題。
評価は「まあまあ」にするか迷ったけど、「
失格紋」を超えてはいないかなぁと思ったので「イマイチ」にしました。