(~104、第七章まで)
現在年間ランキング四位の作品。
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長い説明的な題名で異世界もの。題名を見てもあまり面白そうに見えなかったのだけれど、実際に読んでみると意外と面白いです! チート要素のあまりない異世界トリップもので、異世界での生活が淡々と描かれるけど、一点、ちょっとした工夫が功を奏しています。
その工夫のためかは分からないが、かなり特殊な、無理のある設定を採用している。
主人公が引きこもっていた家ごと異世界にトリップするのだが、なぜか水道・電気・ガスは通じており、インターネットも通じるのだ。また、家の周りにはバリアーが張られており、モンスターなどは近づけない。いくらファンタジーとしてもさすがに無理があるんじゃないかと思える設定だけど、暢気な話なためあまり気にならない。
というわけで、サバイバル要素はほぼなく、かなり気楽に異世界生活を行っていく。
そして、その生活の様子を匿名掲示板で報告し、困ったことがあったら相談する!……というのが先に書いたこの作品ならではの工夫だ。これが面白い。生活自体は結構単調なため飽きやすいのだが、これが挟まることで飽きがこなくなっている。また、この部分は掲示板形式なので気楽に読み飛ばすことができ、作品のリズムも良くしている。
一人でこういうの書くって結構難しい気もするけど、上手いなぁ、作者は普段からよく研究してるのかなぁ、というのが伝わってくる。
とはいえ、リズムは良く読みやすいし面白いのだけど話の起伏は少なく、熱中するような作品ではない。気持ちをこめて集中して読む小説ではなく、時間があるときにのんびり読むには良い小説だと思います。