(~25、最新話)
「
無欲の聖女」の中村颯希さんの異世界召喚もの。
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異世界召喚チートもの。なのだが、チート魔法の呪文を英語で唱えなければいかないため、標準的日本人である主人公は活躍できない。そのため、勇者として召喚された主人公は追放されるが、運よく美少女三人組のパーティーに拾われる。
異世界召喚チートハーレムもののテンプレを使いながら、日本人を風刺した作品。
基本的には冒険者に向いていない主人公だが、大事なところではチート能力を発揮するという流れ。それも、英語が苦手ということを使って、一風変わったチート呪文(英語)で落ちを付けるのが面白い。
今までの中村颯希さんの小説とは異なり、鈍くさそうで情けなそうな日本人をあえて主人公に置くことで、物語の主軸が何か分かるようにしているのも良い。
異世界召喚ものながら、そのジャンル自体も風刺しているような印象がある。
何をもって英語とするのか、とか、主人公でこれなら、本当に英語ネイティブの人ならどれくらいチートできるのか、など設定に若干疑問は残るものの、そのあたりは深く突っ込まずに風刺小説として楽しむのが良いと思う。
ただ、この設定は落ちと密接に関わっている。作者が描く「日本人が話す英語」に共感できないと楽しめないかも。そういう意味では、ちょっと人を選ぶ題材だったかなぁ、とも思う。