(~44、最新話)
現在四半期ランキング五位の作品。別名義(まふまふ名義)で「陶都物語~赤き炎の中に~」という書籍化作品もあります。
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正統派のファンタジー作品。
戦闘能力が低く、亜人との戦闘で瀕死の状態に陥った主人公が偶然大きな力を得るというストーリー。チート能力ものに近いが、法外な力を持つことはなく、作品の世界観にあった力を身に着けている。揉め事を起こさぬよう、昼間、故郷の村ではこの力を隠しながら、夜中にこっそりとこの力を使って自分の居場所を開拓していく。
一応、異世界転生要素はあるようだが、チート能力を得た理由とも特に関係しておらず、今のところほとんど意味がない。「なろう」用に転生要素を加えたのかな? という印象。ただ、あらすじを見ると、これから転生要素が大きな意味を持ってくるのかな?
世界観がきっちりしており、丁寧に書かれているというのが最大の特徴。
人族と亜人達との関係、「加護」と言われる能力上昇をめぐる争い、それに加え、人族の中の支配関係がよく描かれている。
一応、主人公が救った少女たちとハーレム展開になってもおかしくはない。だが、そもそも人族と亜人では子供ができないという設定だし、あちこちで争いが起こっているこの状況ではそういった方面にはならないか。
「なろう」としてはやや重い文章だし、題名も「なろう」向きとは思えないが、この作品がランキングに上がるということは、こういうしっかりした話を読みたいという層もいるということだろう。
今のところかなり面白いが、主人公の能力のバランスが取れるのかなど不安はある。特に、敵を倒したら能力が上達していく設定なので、インフレ化してしまわないか。現状でも、加護持ちの能力が他の者に比べて高すぎる印象があり、一般の兵士がどの程度活躍できているのか分かりにくいという問題が現れていると思う。
また、これから異世界転生要素をどう組み合わせてるのかという点も不安。ここが上手くいけば傑作になるだろうけど、上手くいかないと楽屋落ちのようになってしまいかねない。
個人的には、異世界転生要素はさて置いて、この作品のファンタジー世界を隅々まで見せつけて欲しい。