(~146、最新話。以下継続して読む予定)
現在四半期ランキング一位。「蘇りの魔王」で有名な丘野優さんの作品。
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強力な魔物に敗北し、不死系の魔物になった主人公の話。「不死系の魔物」になっただけで、本当に不死になったわけではないようなので、この題名は誤解を招く気もするけど、ゴロの良さでつけたのかな。
元々、主人公は冒険者として大成することを目指していたが能力が足りなかった。魔物になると、最初は弱くなったが、進化することで強くなることができる。「人間でなくなった」という大きなハンデは背負ったものの、以前より強くなれることを利用して、人間の冒険者として上を目指そうとする。
文章は読みやすく、テンポも良い。設定もなかなかよくできていると思う。主人公が人間の街に上手く入り込んだ後は若干リズムが落ちた気もするが、その後も上手く物語が展開していると思う。主人公に目標があるというのが上手く機能している。
これを一日二話更新している(その上、さらに他の小説も書いている)のは素直に凄い。作者の活動報告を見ると書き溜めているわけでもないみたいだし……。
個人的には、「
食い詰め傭兵の幻想奇譚」と読み心地が似ている気がした。似た評価を付ける人が多いかと思う。
なお、こちらの評価を「おすすめ」にしたのは、こちらの設定に一工夫あること、また、「食い詰め傭兵の幻想奇譚」は一話完結型に近く全体として物語が展開している印象が薄い(一応、手塚治虫の「
どろろ」みたいな設定はあるけど……それで引っ張るのはきついような)気がしているためです。「食い詰め傭兵の幻想奇譚」の残酷なシーンが癖になるような人なら、そちらの方がオススメです。