(~59、最新話。続けて読む予定)
日間ランキングで見かけて読んでみました。
https://ncode.syosetu.com/n7796fc/
まず、注意。
いわゆる「悪役令嬢もの」とは全く違います。私は「悪役令嬢もの」だと思って読み始めたので非常に驚きました。
これは、サイコパス令嬢がVRMMOの中でプレイヤーやNPCを虐殺する話です。
特に、序盤は本当にそれだけ、という凄い作品。無慈悲かつ残酷に殺しまくります。VRMMOの話とはいえかなり刺激的。R15で大丈夫なのかな? と思う程度には残酷で刺激的です。
この作品の凄いのは、そんな主人公のサイコパス性が生き生きと描かれているところ。フィクションの世界だと、サイコパスは一種の天才として描かれることが多い気がしますが、この作品では、純粋にサイコパスでありシリアルキラー。本物のサイコパスってこうなのかな? と思わせるところがある。そんな不気味な主人公ですが、読んでいると快感もおぼえてきます。
また、文章・内容にスピード感があります。リアリティ(VRMMOですが、なかなかにリアル)とスピード感を共存させた戦闘シーンはかなりの迫力。だからこそ、残酷だし、不気味でもある。
どちらとも傾向が違うのですが、「
蜘蛛ですが何か?」の疾走感と、「
ウロボロス・レコード」の残虐さを併せ持ったような小説といえるんじゃないかと。
主人公はサイコパスですが、彼女を客観的に表現する部分もよく描けている。主人公以外の視点のときはちゃんと普通の人間の目線になっています。また(ちょっと古くさい気もしますが)、VRMMOに関する匿名掲示板の内容が登場するのですが、それも良く書けている。作者が、主人公の有り様をきちんと客観的に捉えられているからこそ書けることですね。
ただ、主人公に(一時的とはいえ)仲間ができてから、ちょっと疾走感・残虐性が薄まったか印象があり、それは気になるところ。しばしばある視点の変更も、作品の勢いを削いでいる気がします。とはいえ、主人公が変質したという印象はないので、まだまだ残虐な展開はあるのでしょうが。
と、まあ、突出した点があるのは間違いない作品なのですが。
この残虐さが「おすすめ」かと言われると迷うところ。ちょっと残酷過ぎるんじゃないか、という気も。ただ、小説に刺激を求めている人、たとえば「
バトル・ロワイアル」のような作品が好きな方には非常におすすめできます。
残酷さが目を引く作品ですが、主人公の生い立ちなどにも触れられ、色々と可能性を感じる作品でもあります。最終的には主人公が現実でも救われる話になってもおかしくない(し、逆に破滅する作品になってもおかしくない)。作者は否定していますが、恋愛ものになったっておかしくはない。
このブログでの評価をどうするかはかなり迷ったのですが、そのあたりが上手く結びついたら「おすすめ」にする……ということで、とりあえず「まあまあ」に。
2019年2月に「おすすめ」に評価を上げました。
残酷さ・残虐さは相変わらずですが、連載開始から三ヶ月以上、この勢いが持続しているのはただごとじゃないぞ、と。また、主人公以外の登場人物がピックアップされることも増え、物語が重層的になってきた気がします。文章面で若干分かりにくい箇所があったりはしますが、「面白さ」という点では文句なしの作品。