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以前
レビュー(第四章は
ここで)したRe:ゼロ、最新話まで追いつきました。一応、
http://ncode.syosetu.com/n2267be/
ここで読めます。
さて第五章。
つまらないか面白いかというと面白い。けど、欠点もあると思う。第五章(と、今のところ第六章も)では「死に戻り」の能力が上手く使える展開になっていない。
「死に戻り」という能力は、基本的に主人公自身が関わった案件しか取り戻すことができない。そのせいで既に幾つかの悲劇も起きた。第五章では、同時に幾つかの争いが巻き起こり、主人公はその戦場のうちの一つにしか行けないという状況が起こる。これでは「死に戻り」の能力は生かせない。生かせないようなストーリーになってしまっている。
そのため、第五章では本質的に「死に戻り」を用いた展開はほとんどなく、今までのようなミステリー的な面白さもない。それでも、今までの物語の積み重ね、登場人物の躍動感で面白く読めるが、「Re:ゼロ」ならではの面白さは薄い。「死に戻り」という能力を軸にストーリーを作ることの弱点が露呈してしまっているように見える。
第一章~第四章の「死に戻り」が興味深かったのは、主人公がどの選択肢を選んでもうまくいかない(大体死ぬ)「ならどうすればいい?」という謎解き要素があったためだった。これは、第五章のように主人公が絡まない状況が複数存在すると作れないし、単線的な物語ならもちろん上手くいかない。今のところ、第六章ではこの弱点が表れている。
主人公に自由度(選択肢)が少ない状況で死んだら、次は残りの選択肢を選ぶしかないのだ。それはそれで「死に戻り」の有効な使い方かもしれないが、読者にカタルシスはない。第六章のような一種の「ダンジョン攻略話」になってしまうと、この話ならではの特色が出せない。
というわけで……。
色々非難めいたことは書いたけど、第五章以降も面白いです。個人的には第四章よりも好み。ただ、今後の先行きということを考えると不安があります。穿った見方をすれば、「死に戻り」を生かしたプロットを上手く立てられなかったため、このような第五章・第六章になっているようにも見えてしまう。「死に戻り」を生かすためにはそれなりにきちんとプロットを立てなければならず作者の負担は結構大きいと思う。けど、その分、上手くいったときの満足感は大きい(読者にも作者にも)と思うので、また(第七章では?)しっかり物語を作っていって欲しいな、と思います。
アニメも上手くいっていると思うし、また続きを書いていって欲しい!