第四章ようやく読み終わりました。面白かったけど長かった……。
ただ、第四章は第三章までに比べて瑕が多かったように思う。私目線だと第三章まではほとんど欠点らしい欠点はなかった(レビューでは色々書いたけど、欠点と呼べるほどのものはなかった)けれど、この章には結構欠点があり、勢いで読ませているようなところがあったと思う。
まず、魔女との対話という、「夢の中」で重要なストーリーが進行する点。それ自体は悪くないのだが、何度も繰り返されると緊張感が失われていく。「死に戻り」自体が緊張感を保つのが難しい設定なので、それ以外の部分では厳しく現実を描くべきだったように思う。魔女との会話自体はつまらなくはないのだが、「夢の中」の現実感のなさと魔女たちの現実感のなさが相まってちょっと退屈に感じてしまった。
また、「死に戻り」の最終回が上手く行き過ぎたようにも思う。今回のループは第三章まで以上に困難なもので、そうそう上手くいくようには見えなかった。作者も困ったのかもしれない。今まではある種ミステリー仕立てで、一つ一つの困難を「死に戻り」によって解決してきたのが、ちょっと無理矢理に、いってしまえばご都合主義で解決してしまった。もちろん、この話はミステリーではないし、これまでの解決も理詰めとは言い難い。ご都合主義的な部分もあった。しかしそれにしても、第四章は今までに比べて説得力を欠いているように思えた。
とはいえ、この章は物語の核心部分に踏み込んでおり、その大きな物語自体は面白い。そのプロットを貫こうとしたため、若干無理のある筋書になってしまったのかな、という気がする。また、真面目に一つ一つ「死に戻り」で解決しようとしたら、解決しなくてはならない困難が多すぎるため長くなりすぎる懸念もあった。
そのあたり、多少妥協を感じた点もないではないが、しかし着実に物語を進めた点は評価したい。
次は第五章、楽しんで読むよ!