以前レビューした『異世界で特級創作士<クラフティングマスター>』の第一幕が完結しました。
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過去話こそ若干色が違いましたが、概ね淡々と描写が重ねられ、特段に緊張する要素はないけれど最後までしっかり書ききった印象です。安心して読める面白さ。
不安材料といえば、第一幕で元の世界との関係が(ほぼ)描かれてしまった点。これは良かったのでしょうか? 異世界転生ものだと、元の世界との関係は読者の興味を引きやすいテーマ。異世界内での話に行き詰ったとき(特に、転生した主人公は強いことが多いため話を展開させにくくなることがある)、元の世界から来た人を出すなどして話を引っ張るのは常套手段。しかし、第一幕で明かされた事実を考えると、そういう展開には若干しづらいかも、と。
逆に言えば、今後はこの世界でのファンタジー作品として勝負していかなければならない……ということになると思うので作者の技量が問われますね。まあただ、第一幕ではこの世界をほんの少ししか見ていないので、しばらくは書く内容には困らなそうですが。
今後にものんびり期待しています。