祝! 完結!
元々、なろうで連載されていたのが去年の十月にノクターンへ移籍されてきた作品。
http://mypage.syosetu.com/18883/
(18禁ページへのリンクは禁止されているので、なろうの作者ページにリンクを貼っています)
元々「なろう」で非常に人気があった作品。世界に一つだけダンジョンがあってそれが世界の趨勢を左右するという、いわば「単一のダンジョン」ものとでも呼ぶべき一大ジャンルが「なろう」にあるが、その中でも卓越した作品でした。
序盤からかなり緊張感があり、「なろう」の作品としては文章は堅め。だが、主人公の魅力と物語の面白さでかなり読ませるものになっている。
未来都市と思われる「東京」を舞台にし、SF的な背景があることを匂わせながら物語は進んでいく。戦闘や冒険が中心の第四章までは、やや情景描写で分かりにくいところがあったり、ちょっと暗かったりはするけど普通に(「なろう」的に)面白く読める。その後、SF的世界・謎の解決へと物語が進んでいくのだが、これを受け入れられるかどうかは人によると思う。
個人的にはやや違和感があった。こういうことをやりたかったんだなぁ、というのは分かったし、悪くはないのだけど、中盤までと同じように楽しめるかというと若干無理がある。(多分伏線は貼ってあって私が覚えてないんだろうけど)やや唐突に思える展開もあったし。
とはいえ、四章あたりまで読んだときには、この物語を収束させるのはほぼ無理だと思っていた。それをきちんと――と言えるかどうかは読み直してみないとなんとも言えないが――手腕は買いたい。
多少の傷はあれど、物語の勢いを保ったまま大きく広げた風呂敷をたたみ挙げた名作です。
1. 無題
他にも金を稼ぐ=生活の為という点に最後まで終始しているのと、何か行動を起こすたびにキャラが資金の問題に目を向け、お金について考えているのも新鮮だった