(~51、最新話)
現在四半期ランキング四位の作品。正式な題名は、「【連載版】俺は冒険者ギルドの悪徳ギルドマスター~無駄な人材を適材適所に追放してるだけなのに、なぜかめちゃくちゃ感謝されている件「なに?今更ギルドに戻ってきたいだと?まだ早い、君はそこで頑張れるはずだ」」です。
https://ncode.syosetu.com/n9607gq/
ギルドを追放された主人公が新たにギルドを立ち上げ、他人の隠れた才能を見抜くスキルにより、不遇だった者たちを適切な場所へ送り込んでいくという話。
今、「なろう」では追放テンプレが流行っている。その「追放」というキーワードを使った意欲作? 主人公が追放する側で、かつ、「ちょっと良い話」を目指した連作短編もの……なのかと思って最初は読んでいたのだけど……。
まず、連作短編としてのストーリーはちょっと浅め。登場人物の性格等に工夫はない。ただ、ワンパターンの連作短編を目指すのならそれはそれで良いとも思う。マンネリ感が面白さに繋がることも多いので。
しかし、どうもそういう話がメインではなくなっていく。主人公を追放したギルドマスターへの復讐(ざまぁ)要素を掘り下げたり、別のパーティーでのざまぁを描いたりしている。「良い話」という感じでもなく、後味もあまり良くない。
主人公が「他人の隠れた才能を見抜くスキル」だけではなく、異常に強く万能なのもあまり良く働いていないと思う。結局、チートスキル持ちの主人公が適当に解決しているだけ、という節操のないストーリーになってしまっている。
コンセプト自体は良かったんじゃないかと思うけど、その後、やや失敗してしまった作品という印象。ちゃんと書けば「
追放者食堂へようこそ!」みたいな出来の良い作品になったのでは、と思うのだけど。