(~4章、59まで)
現在年間ランキング四位で八月末に書籍化もされた作品。同じ作者の「レベルリセッター ~クリスと迷宮の秘密~」も、月間ランキングTOP5に最近長いこと入っていました。
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異世界転生もの。
治癒士に転生した主人公だが、死にたくないという思いから、ただ治癒士として生きることを選択せず、治療を格安で請け負いつつ冒険者としても訓練を積み強くなる。しかし、その治癒士らしからぬ行動のため、変人扱いされたり軋轢を産んだりする。
このようにまとめるとよくある異世界転生もののようだが、周りにどう思われているか分かっていない主人公が突っ走ってしまうという天然ものの要素が強く、転生要素は薄い。天然で天才な主人公の行動を楽しむ小説だと思う。そのため、転生要素、特にサラリーマン要素はむしろ足を引っ張っている気もする。転生前サラリーマンをしていたのなら、もっと周囲に気を配って行動するんじゃないだろうか。読んでいる間はあまり気にならないが、転生ものにせず、普通のこの世界の人間を主人公にした方が据わりが良かったんじゃないかと思う。
若干気になる表現が多い気はしたが、内容はずっと安定。3章最後で主人公が大きな勘違いに気付くシーンがあり、その後トーンダウンしないか気になっていたが、別段変化なく4章も続いていた。
大きな刺激は期待できないが、天然系主人公と馬が合い、安定した話をのんびり読んでいきたい人には良い話だと思います。