(~78、最新話)
現在四半期ランキング五位の作品。
https://ncode.syosetu.com/n2377fh/
主人公は無気力だが最強の力を持ち、裏ではSS級冒険者として知られる皇太子。帝位を巡って争いが起きているが、自分が皇帝になる気はなく、かといって、現在の有力候補が皇帝になると殺される機会があるため、仲の良い弟を肯定にすべく暗躍する。
面白い。
帝位争いに暗躍という、なかなか難しいテーマをテンポ良く分かりやすく書いているのも凄いと思う。
ただ、テンポの良さを重視しているせいか、ストーリーやキャラクターの性格を分かりやすくし過ぎている感は否めない。多分意識的にやっているので、欠点とも言えないのだけど……。しかし、「暗躍」というテーマを描いているにしては話があっさりしす過ぎ、深みに欠ける印象はある。
あと、後半に行くにつれ、主人公が常に有能な感じになってしまっているのが気になった。
主人公が「無能な皇子」と「有能なSS級冒険者」の二つの顔を使い分けるというのが、この小説の大きな売りの一つだったと思うのに、主人公の周囲のほとんどの人間に「実は有能」とバレてしまっているし、怠惰にしているシーンもあまりなくなっている。
物語の展開上、有能な面を強調せざるを得ない、というのは分かるものの、主人公の魅力が半減してしまった印象はある。
基本的には面白いし、上手いと思うのだけど、ところどころで物足りなさを感じる小説でした。
ところで、
活動報告で知りましたが、ランキング正常化のために評価受付を停止した、というのは面白いですね。
私も今まで知らなかったし、効果があったかというとよく分かりません。ただ、「なろう」ランキングに問題ありと思っている人で、何かしたいと思っても何もしようがないという人は多いと思うので、こういう方法もあるのか、と感心しました。