(~34、最新話。この後も読む予定)
「
人狼への転生、魔王の副官」「
脇役艦長の異世界航海記 ~エンヴィランの海賊騎士~」などの漂月さんの新作。
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異世界転生もの。優秀な主人公の活躍を活躍を描く作品なのはいつも通り。また、異世界転生シーンや主人公のオネエ言葉の理由といった設定部分をほぼ省略して本題の物語に入るスピード感もいつも通り。さすがに上手い。
物語を進めながら少しずつ世界観を明かしていく構成で、主人公の家庭環境や国の事情がだんだん分かっていく。ただ、その構成のせいで少し分かりにくい印象も残る。一気読みだと違うのかもしれないが、連載を追って読んでいると、ちょっと世界観が入ってきにくい気も。
とはいえ、安定して面白く、安心して読めるのは間違いない。
ただ、題名にもある「オネエ」は生きていない気がする。ジェンダーに違和感があるというわけでもないのに、話し言葉だけ違うという設定はピンと来ない。優秀な主人公なんだし、身に着けようとすればすぐ男言葉だった身に着くのでは。男言葉の少女が出てきたりするため混乱を産むし、読みにくくなっているだけのような気も。
そして、そんな言葉を題名に入れるのはどうなのだろう。上に書いた通り、主人公はいわゆる「オネエ」ではないし、主人公がオネエ言葉であることは(今のところ)この物語で重要な意味を持っていない。こんなイロモノっぽい題名を付けたのは失敗では。
物語自体は面白いのだけど、妙なところで失敗している印象がある作品。