（～32、最新話）
現在四半期ランキング六位、「
自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う」で有名な昼熊さんの作品。
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スキルの売買ができる男を主人公にしたちょっと良い話集、というのが最初数話の印象。「なろう」で連作短編型の人気作というと食事ネタのものが多いが、この作品ではスキルの売買をネタにしているのが上手いところ。個人的に食事ネタはそれほど好きではないので、この作品の切り口は楽しめました。
また、スキルの売買を行うような男を主人公にしてしまうと、悪人からスキルを騙し取ったりして、無制限に主人公が強くなる話になってしまいそうなのを、主人公を商人に設定し、無理矢理な売買を行わせなくすることで、そういう方面に話が展開しないようにしている。節制がきいたストーリーになっていると思う。
ただ、最初数話のほのぼの話を期待すると面食らうような話もある。
すんなり気持ち良く終わる話ばかりでなく、ショートショートらしいちょっとダークな落ちのものも多い。どれも出来は悪くないが、気持ち読後感を求めている方は注意。
また、シリアスな話もある。主人公の姉に関するストーリーだ。この部分は他の話と大分雰囲気が違い、結構残酷な話になっている。現状ではちょっと浮いてしまっているように感じたけれど、このパートをどう展開させるかで、この小説の面白さは大きく変わってくると思う。
一篇一篇は面白いし、力のある作家さんだと思ったけれど、そのあたりを上手く纏められるかどうかは今後を見てみないと分からないですね。
