(~第一幕第八章)
これも
VRMMO転生TS物。
http://ncode.syosetu.com/n8198ck/
作者は「なろう」では長編第一作だが、ノクターンではそこそこ人気の長編をものにしている。
(一応、作者名が異なるので題名は伏せます)
そちらもTS転生物なのだけど、奴隷として買われた主人公がご主人様と甘々な生活をする話で、
まあ正直いって転生物にする必要もTS物にする必要もあったのか? とも思えた。
逆にいえば、そういう設定に頼らなくてもちゃんと物語をものにできるきちんとした書き手だということが伺えた。
今回も同じようにTS転生物なのだけど……
一応TS設定も転生設定も絡ませようとはしているのだけど、大半は主人公の日常の話。
大雑把にいえば、チートという程ではないが非常に優秀な主人公が淡々と仕事をこなしている……だけなのだけど、これが面白い。
「ノクターン」に書かれた長編を読んだときも思ったが、この作者は物語を淡々と語るのが非常に丁寧でかつ上手い。主人公に嫌味がなく、茫洋と、自然体で語り続けるので安心して読める。起伏に乏しいといえばそうかもしれないけど、自然と物語に入っていけるのが良い。安心しておすすめできる作品。
とはいえ、そうは言ってもそろそろもう少し大きな事件があってもいいかなぁ……なんて思ってしまったりもするけれど。