(~76、完結済)
人間の赤ちゃんとして産まれた直した悪魔の物語。
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人間の女の子が悪魔になり、その後、悪魔の力を持ったまま赤ちゃんへと転生。そんな主人公が徐々に悪魔としての自我を確立し、力の使い方を覚えていく様子が描かれている。その際に、悪魔である主人公が聖女扱いされたりするのが面白い。
主人公の、かなりふわふわした性格付けが面白い。題名に「ゆるい」とあるが、緩くふわふわした感じのまま悪魔らしい行動をするのはちょっと新鮮。
人間としての倫理観を持っているとは言えない上、隠しているとはいえ悪魔的な行動もたくさんしているのにもかかわらず、(美貌のせいもあるとはいえ)自然と聖女扱いされるようになる展開はよくできている。
また、作者が途中で書いているが、いくつかのテンプレ・王道展開を壊すという試みがされている。上手くいっているか? と言われると微妙なものもあるものの、良い試みだと思う。
と、物語は面白いし、主人公は魅力的。主人公以外の登場人物の書き分けも上手く出来ていると思う。
ただ、設定の説明の仕方はちょっと下手かなぁ、という印象。特に序盤、あまり必要ないような視点変更が繰り返されるのはやや退屈だし読みにくかった。説明のため、作者の都合で視点変更している感じがしてしまった。表現が下手だとは思わないのだけど、説明の仕方にはやや難あり。(この小説の評価は「おすすめ」にしたのだけど、一つ下げようかと迷いました。)
とはいえ、後半になって物語が盛り上がると視点変更も効果的に感じた。説明のためではなく、主人公の悪魔らしい行為の結果を描写するための視点変更なら面白い。
なお、この小説の続編「
悪魔公女Ⅱ ~ゆるふわアクマ旅情~【リメイク】」が連載中です。第三章までは読んだのですが、「悪魔公女」と似た展開になっているところも結構あり、ちょっと出来は落ちるかな、という印象です。主人公の悪魔的行為がやや控えめになっているのも残念。