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現在四半期ランキング四位の作品。
https://ncode.syosetu.com/n4647gh/
いわゆる「追放もの」テンプレ作品。(このブログでは「勇者パーティーから追放もの」と書いていたけど、「追放もの」だけで通じるのかな。)
荷物持ちとしてS級ランクパーティーに参加していた主人公だが、その有用性を理解していなかったリーダーに追放され、さらに嫌がらせをされる。しかし、そのパーティーは主人公によりまとまっていたため今までのような活躍ができなくなる。一方、主人公は信頼できる仲間を見つけ、徐々に活躍していく。
文章はまあまあ読みやすいが、基本的にテンプレ通りで、目新しさはない。
それでも良く書けているのならいいのだけど、追放した方に焦点をあてている部分がかなり多く、彼らはいかに酷い性格で、酷いことをするのか……ということを書くのはどうなんだろう。主人公を上げるよりも追放した側を下げる方に力が入っている印象。「これなら復讐されても当然」という気にはなるけど、同時に、「主人公はなんでこんな人たちとパーティーを組んでいたんだろう?」 とも思ってしまう。
後は本当にテンプレ通り。
ただ「追放もの」は書きやすいんだろう。追放&復讐について書いている部分の方が他の諸々の部分よりよく書けているとは思った。物語を創造するのは難しいってことなのかなぁ。これから、主人公は自分でも戦闘できるようになる、という展開になるようだけど、復讐(ざまぁ)が一応一段落して物語のテンションは落ち気味です。
あ、テンプレの範囲内ではあるけれど、追放したパーティーのメンバーを主に二人に絞って書いてあるのは好判断でしょう。パーティーっていうと最低四人程度いなくちゃいけない気がするけど、この展開ならそんなに必要ないよね。登場人物を絞り、復讐対象を明確にしたのは上手い。
追放→復讐というテンプレが好きな人には悪い作品ではないと思うので、読んでみても良いかもしれない。とはいえ、特にこの作品を選ぶ理由もないかなぁ。