乙女な悪役令嬢には溺愛ルートしかない　～やらかすまえの、性格以外は完璧なスペックの悪役令嬢に転生しました～

（～46、完結済み）

十月～十一月に四半期ランキングTOP5に入っていた作品。

https://ncode.syosetu.com/n8658ji/

主人公は自分が生前プレイしていた乙女ゲームの非常に優秀な悪役令嬢の、道を踏み外す前の彼女に転生。わがままを言わず暮らしていると周囲から非常に高く評価され、ゲームでは選ばれなかった聖女候補になってしまう。ゲームのヒロインが聖女にならないとバッドエンドになってしまうため、ヒロインが聖女だと周囲に認めさせようとするが、その振る舞いのために主人公こそが聖女であると思う人が増えていく。

ゲームへの転生、悪役令嬢もの。
悪役令嬢に転生した主人公がどうやってバッドエンドを回避するか？　が主題になるのは多くの悪役令嬢ものと同じ。ただ、後半それに加えて、聖女にしか浄化できない瘴気溜まりをどう処理するか？　という別のテーマが現れるのが面白い。ヒロインが聖女だと認められれば良いのだが、既にゲームとは異なる展開になっているため、主人公は他の手段も考える。

ゲームという先入観があるため、恋愛感情に鈍感な主人公という設定も良い。悪役になる前の悪役令嬢に転生しているため、いわゆる悪役令嬢ものっぽい展開（一旦落ちた評判を取り戻していく）はないのだが、それを設定・伏線として利用している。

悪役令嬢要素、聖女要素、そして、瘴気溜まりを浄化するという冒険要素を上手く組み合わせたという印象。すごい展開はないけれど、構成が上手く完成度の高い作品だと思います。