(~60、最新話。第二部終了まで)
現在四半期ランキング二位の作品。
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「
コミュ難の俺が、交渉スキルに全振りして転生した結果」でも知られているとーわさんの同時連載作品。
「魔王討伐したあと、目立ちたくないのでギルドマスターになった」は、題名の通り、魔王を討伐したメンバーの一人である主人公が設立したギルドに舞い込んだ依頼を消化する形式で進んでいく。はじめから主人公や主人公の仲間が強すぎるため危機的状況は起こりにくい。これはこの小説の一つの難点に思えるが、物語はしっかり進行していく。連作短編形式では全体の物語が進まず単調になりやすいが、この作品は一つ一つの依頼で物語が進展しているのが良い。敵対者と戦う際も、単純にパワーで圧倒するのではなく、主人公たち仲間の能力を上手く活用して解決していくのも面白い。
設定にオリジナリティがなく、個人的に連作短編形式はあまり好みでないため、厳しめに読んだつもりだが、文章は達者、思いのほか面白くて驚いた。今後、連作短編が単純な一話完結型になって物語の奥行が薄れていく可能性はあると思うが、今のところはそのあたりも問題ない。最初に書籍で読んだとしても、よくできたラノベ作品と思ったと思う。
こういう連作短編形式は、どちらかというと書籍で出した方がファンがつきそうな作品にも思う。それが「なろう」でもこれくらい人気を保っているというのは出来が良い証拠だろう。