(~65、第2章まで読了)
九月~十一月に四半期ランキングTOP5に入っており、十一月には四半期ランキング一位だった作品。
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主人公は前世で子供三人を遺して闘病の後に死亡、前世の病床で読んだ小説の悪役である公爵夫人に生まれ変わる。小説の中では、夫と不仲で息子を虐げたために殺されたので、今回は息子に愛情を注ごうと決意。すると、不仲だったはずの夫とも愛情が芽生える。
異世界転生ものだが、子育てなどの題材を扱う社会派小説という趣きが強い作品。子供のいじめや、虐待などといった話題も現れる。
序盤は子育ての話が中心。前世で三人の子供を育て、また、子育てに積極的ではなかった夫を子育てに参加させるようになった経験から、夫を巻き込み自分流で、公爵夫人らしからぬ子育てを行っていく。赤ん坊を育てるときよくある問題を扱っているため、共感できる人も多いと思う。
その後、夫との関係が良好になると、父親など家族との関係や、学校でのいじめなど、子育て中心ではあるが別の社会的な問題へ関心がうつる。
一応、子供がさらわれたり……といった事件も起きるが、基本は社会派小説といっていいと思う。夫や子供たちと愛情深く交流するシーンもたくさんあるのだが、ストーリーは社会問題との関わりで進んで行く。
そういう社会派小説が好きかどうかで面白いと思うか分かれると思う。出来は悪くないとは思うが、私にはそれほど面白いとは思えなかった。
また、主人公の性格がやや狭量な気もした。序盤、前世の夫のことを思い出して文句を言うシーンが何個かあるが、前の夫(転生後の夫も)は子育ての知識は不足していたかもしれないが、駄目な夫という感じではない。それなのに根に持っている感じなのは引っ掛かった。