(~121、最新話まで)
現在四半期ランキング二位の作品。「完結保証」とあるので完結まで読もうかと思ったけど、まあこの辺で良いですね。
「
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」からのパクり疑惑があるようで、作者がそのことを活動報告で説明(説得力があるかは別として)しています。(私は「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」は第一章まで読みました)
https://ncode.syosetu.com/n6755gk/
ゲームへの異世界転生もの。
ある日、この世界が乙女ゲーム(なのに戦闘要素があるクソゲー)だと気付いた主人公が、ゲームの知識を生かして活躍し、ゲーム中の悪役令嬢を救って未来を変える話。
まあテンプレと言っていい内容だけど、学園物の部分、「悪役令嬢に仕立て上げられた女性を救う」ところは結構面白い。このテンプレってよくできているんだなぁ、と感心させられた。
だが、それ以前の部分、「ゲームの知識を使ってお金を稼いで学園へ入学する」という内容はイマイチ。そもそものゲーム自体が面白そうではないし、主人公が知識の使い方を工夫するわけでもないため、あまり面白みを感じなかった。
そして、学園での話が終わって以降の出来は良くないと思う。乙女ゲームへの転生という設定があまり生きていないただのチート物という感じになっており、戦争シーン等も一方的になってしまっている。一番の焦点は主人公たちの恋愛だと思うけれど、あまり興味を惹かれなかった。
あまり突っ込むつもりはないけれど、少しだけ「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」(の第一章部分)との比較もしておきます。
「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」の世界は、パワードスーツやロボットが登場するSF的で結構な独特なものになっている。また、主人公や登場人物もなかなか個性的。
それと比べると「町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい」の世界はクソゲーっぽいだけであまり特徴はなく、登場人物も、いわゆるラノベの典型的な性格が多い。
また、「町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい」の学園部分は「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」と確かに似ているのだけど、そのうち悪役令嬢要素のエッセンスを抽出・整理したような内容になっている。
どちらが面白いか、というと個性的な「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」の方だと思うけど、この作品は色々と癖があるし、また、長ったるいと感じる人もいるかもしれない。淡泊だが分かりやすい「町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい」を好む人がいてもおかしくはなさそう。