(~38、第一章まで)
今年一月に四半期ランキングTOP5に入っていた作品。正式な題名は「『アカデミーの天才ヒーラー』 死にゲー世界のモブに転生した俺は、外れジョブ【ヒーラー】と原作知識で無双する ~俺だけに許された裏技チートを使って、全ての破滅フラグをへし折ります~」です。
https://ncode.syosetu.com/n8402ju/
主人公は、死にゲーとして名高い名作恋愛アクションRPGにおける「主人公のモブクラスメイト」に転生。その職業はこの世界で最弱とされる「ヒーラー」で、このままシナリオが進行したら真っ先に死んでしまう。しかし、ゲームの知識を利用して成長できる可能性に気付き、検証し、力をつけていく。
ゲームの最弱キャラへ転生し、ゲームの知識で強くなっていくタイプの作品。
大枠としてはそういうよくあるタイプの作品なのだが、テンプレからちょっとずつずらしたことでバランスが悪くなっていると感じた。
まず、ゲームの知識を利用するといっても、ゲームでプレイしたそのままを利用するのでなく、ゲームにおける仮説を試していくという形になっている。それが成功するのだけど、知識を上手く利用しているとはあまり思えず、ぶっつけ本番という感じが否めない。
また、主人公は「ヒーラー」という設定だが、第一章ではヒーラーらしく他者を回復している場面がほとんどない。
そして、このゲームがどういうゲームなのかよく分からない。ストーリーは分かるけど、何をプレイをさせるゲームなのだろう? 「名作恋愛アクションRPG」というジャンルも謎だし、面白そうに見えない。
と、テンプレからちょっと外した設定にしている割に、ストーリーは非常に平板。テンポ良く書けてはいるけれど、どこかで見たような展開が続く。このストーリーなら設定を捻る必要はなかったのではないだろうか。