(~25、短編。本編完結済み)
作者から読んで欲しいと連絡があったので(このブログで取り上げて欲しいとは書いていなかったけれど)取り上げます。
https://ncode.syosetu.com/n2139kd/
主人公は妻子ある大人であり、異世界転生もの(のご都合主義)を嫌っていた。が、仕事を終えて寝ているとき、夢の中に女神が現れて異世界に転移させられてしまう。召喚術士に実験的に召喚されたため、目的などはなく、チート級の成長もないため、召喚屋のスタッフとして働くことになる。
異世界転移(召喚)もの。
題名を見ると、なろう的な「異世界もの」自体が嫌いそうに見えるけど、転移先の世界は基本的には「なろう」的。
主人公にチート的な能力はないものの、冒険者がいて、魔法があって、召喚獣がいて……という非常に「なろう」的な世界。さらに、チートではないというものの、主人公自身も魔法が使えるようになる。
「なろうモノ嫌い」と言いながら、「なろう」っぽい世界に召喚されてしまった、という逆説的なところがコンセプトなのかな? とも考えたけど、この「なろうモノ嫌い」は世界観について言っているのでなく、ただ「ご都合主義」が苦手ということなのかもしれない。
でも、この話の主人公も、召喚された後ずっと衣食住が保証されていて、仕事もできて、結構恵まれた境遇だと思うけども……。
そのあたりのコンセプトが私には分かりにくかった。
主人公が「なろうモノ」のどういう部分が嫌いで、この世界がどれくらい「なろう」的なのか、もしくは「なろう」的じゃないのか。そういったことを描いて欲しかった。
その後、この小説は、結構唐突に事件が起き結末に流れ込むが、その展開はイマイチに感じた。