(~63、最新話)
現在四半期ランキング五位の作品。
https://ncode.syosetu.com/n9806fw/
主人公は、現実世界に現れたガチャを引いて、莫大な戦闘能力を得る。すると、地球上に大量にモンスター達が現れたので、それらを倒して経験値を稼ぎ、さらに強くなってボス達を倒していく。
現実世界を舞台にしたチートもの(たとえば、異世界召喚から帰還する系統の作品)では、その力の使いどころが難しいという問題があるが、「現実世界にモンスターを出現させる」ことでその部分は解決している。
けれど、現実世界にモンスターを出してRPG的な世界にしてしまったら、(現実世界を舞台にする利点である)リアリティーは薄れてしまう。まあ、日本とかアメリカとか自衛隊とか、現実の用語を出せるという利点はあるけれども。
この作品ではそれ以外の点で「現実」を生かせていない。たとえば、こんなにモンスターが現れれば世界中パニックになるはずで、パニック小説的な内容も書かざるを得ないと思うのだけど、そういう部分にはほとんど触れない。
というわけで、基本的には、ゲーム的な世界でチート能力のある主人公のレベル上げ&ボス討伐を描いた作品と思っていいと思う。主人公一人がチートなため、今のところライバルや協力要素といった要素も薄い。テイムもあるけれど、モンスターを道具として使っているのみ。シンプルです。
とはいえ、単純に、ステータス値が上がり、強力なボスを倒していくというのは、読んでいて心地よい。文章に勢いがあり、妙にひねくれたところもないため、シンプル故の面白さはある。
奥深さはないけれど勢いでもっていくような、こういうタイプの小説が「なろう」にあるのは良いよね、と思って読みました。