「
冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた」が昨日完結しました。二年以上も連載していたんですね。おつかれさまでした。
最後まで独特の雰囲気を保った作品でした。
まず序盤の、(育ての)父親と娘が会いたいけど、会えない……ということを二つの視点から描くという書き方が独特でした。二人が再開した後も、終盤まで何度かこの書き方に戻ることがあり、なんというか懐かしい気持ちにさせられました。
全体を通して、凄く盛り上がったという部分はなかったと思います。終盤はシリアス展開でしたが、それも収めるべきところに丸く収めた感じで。
「なろう」的なジャンル分けでいえば、スローライフもの、おっさんもの、(の先駆け作品?)になるでしょうか。しかし、この作品の父親であるベルグリフは、他の「なろう」作品の追随を許さぬ魅力に溢れていたと思います。穏やかで思慮深く、かつ愛情深い。この人を中心に据えたからこそ、物語が静かに流れていった。
彼の周りに人が集まり、家族が増えていったのも、自然の流れと感じました。
超長編、というほどではないですが、穏やかな時間の経過を感じさせてくれる作品でした。
良い小説をありがとうございました。