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現在四半期ランキング五位の作品。個人出版で書籍化した作品を「なろう」「pixiv」などへ投稿しているようです。
https://ncode.syosetu.com/n9677fw/
異世界転生チートもの。
主人公は、公爵家の長男として産まれたが、14歳のとき、転生前の記憶を取り戻す。だがそのとき、濡れ衣で国外追放となることが確定していた。だが、同時に、鑑定・付与魔法というチートスキルを持っていることに気付く。
内容はチートものテンプレ通り。転生前の知識を生かしたりするような状況もほぼなく、異世界転生という設定もほとんど生きていない。一応「ざまぁ」的な要素もあるけれど、主人公が手を下して復讐する感じではないので、それを期待して読む感じでもない。
主人公が鑑定持ちという設定なので、ステータス表記が多用されている。最近レビューした「
ヘルモード」も「
現実世界に現れたガチャに給料全部つぎ込んだら引くほど無双に」もそうだったけど、今そういうのが流行っているんだろうか?
だが、その二作品と比べても、ステータス表記を生かせていない印象。主人公の努力の様子が書かれるわけじゃないし、戦闘に苦労していることも少ないので、ステータスを見る意味が少ないと思う。
文章は、一人称口語体で、非常に軽く書かれている。ここまで軽くて口語的なのは「なろう」でも少ないよね……。もっと昔、個人小説サイトが流行していた頃によく見かけたような文体という気がする。ちょっと古くさい気もしてしまった。
別にそういう文体が悪いというわけではないんだけど、そういう文体だと、主人公へ共感できるかどうかが作品の評価と直結してくると思う。が、残念ながら、あまり共感を呼ぶ主人公という感じではない。チートを使って感情的に動いているだけという感じで。
あと、軽い文章のみで構成されているため、設定などが分かりにくくなっている部分もあった。感想欄を見ると、作者が返信で色々補足しているけど、そういう設定も作中に反映していかなくちゃいけないと思う。
というわけで、なんで伸びているのかちょっとよく分かりませんでした。
個人出版で出した作品をネット上に投稿するという手法は珍しいけれど、そのせいでランキングが上がるということはないですよね……。