(~45、完結済)
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主人公は聖女だったが、魔力が枯渇しそうになったため身売りに出され、真面目で若い公爵に引き取られ契約結婚する。公爵には男女二人の幼馴染がいたが、その二人が最近結婚したため、三人の仲を維持するため主人公が必要だった。出勤時、幼馴染が迎えに来るときに良い夫婦を演じることを求められた。その後、主人公と一緒に暮らすうちに主人公が思いのほか優秀なことが分かり、二人の間に愛情も湧いてくる。
契約結婚ものだが、テンプレからは外している印象。明るくて鈍感な人物を主人公に配置するというのは「なろう」でも定番だが、主人公の設定も、公爵の幼馴染三人の設定も、契約結婚との組み合わせとしてはちょっと目新しい。
ただ、設定が生かせているか、というと微妙なところか。
幼馴染三人の設定は、恋愛ものでは定番の三角関係を作ろうとしたものだと思う。それ自体は悪いとは思わないが、そこに主人公を絡めていくのが上手くいっていないように感じた。主人公には好感が持てるが、三人が何を考えているかが分かりにくい。
さらに、物語の後半に、この三人の恋愛と主人公が関係する事件が起きるのだが、ピンと来ない内容になっていると思う。動機も解決も、なぜこうなったかよく分からない。
色々と意欲的な要素はあり、そこは評価したいのだけど、結果的にから回っているという印象。