(~62、最新話。本編完結済)
現在四半期ランキング二位の作品。
https://ncode.syosetu.com/n8024hd/
主人公は、神様に「あなたは百日後に死にます」と宣告された公爵令嬢。それも、許嫁である王太子を他の女に取られ逆上した結果、あらぬ罪で断罪され、王太子の手により殺されるという。主人公は、そんな最悪の結末を回避しようと努力しつつ、余生を楽しむ。
題名に「100日後に死ぬ」とあるが、主人公が100日後に死ぬことが分かっているので、「余命宣告もの」、もしくは「難病もの」に近い。難病ものと悪役令嬢~婚約破棄を組み合わせたような設定か。
だが、「悪役令嬢」「婚約破棄」という設定からも一捻りしている。
結構すぐに、主人公と婚約者が本当に仲違いしたわけではないことが分かり、どうして擦れ違いが起きたか? というのが話のテーマになっていく。
題名に気を引くキーワードを入れつつ、そのキーワードから少しずらしたストーリーを語っていくというのはなかなか意欲的だと思う。
最終話付近では泣かせ所もしっかり作っている。あざとい部分もあるが、まあ難病ものに近い設定なら仕方ないだろう。
……と、設定には光るものがあると思うし、書きたかったシーンがあるのも分かる。だけど、何かちぐはぐな印象も否めなかった。物語を着地させるのにちょっと失敗している気がする。
一番気になったのは、「どうして擦れ違いが起きたか?」という謎を引っ張っていく部分。ちょっとしたミステリー仕立てになっているものの、真相が、読者にも、主人公含む作中人物たちにもあまり意外性がない。読んで気持ちの良い真相でもないし、こんなに引っ張らない方が良かったのでは、と感じた。
あとは、神様に関するエピソード。伏線はあるのだが、やや唐突だし蛇足に感じてしまった。もう少し文字数を取り伏線を強調した方が良かったかもしれない。
……と、一応指摘してみたけれど、このあたりを修正すれば本当に良くなるのかはよく分からない。登場人物の性格を変えたりした方が良いかもしれないし……。
ただ、上手く修正すればもっと面白くなりそうな内容に思えた。コミカライズで化ける可能性もあるかなぁ。