(~54、最新話)
現在四半期ランキング三位の作品。正式な題名は「宮廷テイマー、コストカットで追放されて自由を得たので未開拓領域に使い魔の楽園を作ることにする ~竜も馬も言うことを聞かなくなったから帰って来いと今更言われても……もうエルフと同盟を結んだので……~」です。
十万字に達していない作品ですが、もう一ヶ月近く更新がないので書いてしまいます。
https://ncode.syosetu.com/n7797gn/
主人公は宮廷テイマーとして国に仕え、代々竜や馬など国の使い魔をテイムしていたが、理解されず、無駄飯喰らいと思われて追放されてしまう。本当は非常に高い能力を持っていた主人公は、未開の地で新たに国を立ち上げるが、その頃、元いた国では使い魔たちが暴れだしひどい状況になっていた。
「追放→ざまぁ」のテンプレ作品。
この作品に触れた作者自身のnoteでも、「99%のテンプレと1%のオリジナリティ、くらいでやったほうがいいくらいです」と書いていますね。まさしくその通りの内容。
ただ、読むとつまらなくはないです。一話一話を短くし、さくさく読ませる戦略も成功していると思います。基本的にテンプレ通りで意外性などはないですが、テンプレをすらすら読む、というだけでそれなりに楽しめる。
これは、テンプレ自体の出来が良いということなんだと思います。
ただ、このテンプレって、追放された主人公が追放した相手に復讐(か、それに類すること)をした時点で一区切りついているんですよね。起承転結が成立している。だから、この後の物語を書こうとすると、それまでの追放ものとは別の流れにならざるをえない。
なので、ここまでは上手く書けていた作品でも、その後がつまらなくなったり、ここで止まったりしてしまうものが凄く多い。いや、一区切りついているのだからここで完結とするのは自然だと思うのですが、「なろう」だとこの後も続けようとする人が多い。
この小説も、追放ものとして一区切りしたところで止まっています。それどころか、別視点で尺を稼いだりしている。それくらいならここで完結としてしまった方が分かりやすいと思うんですが……。なかなかそうもいかないんでしょう。