(~28、最新話)
現在月間ランキング一位、四半期ランキング三位。月夜涙さんの新作。
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世界最高の暗殺者から暗殺貴族へと転生した男が主人公。転生の際、女神に勇者を暗殺するよう言われ、チートスキルをもらう。転生後、子供の頃から鍛えたおかげで大量の魔力を得たりするのは、チート転生もののテンプレ通り。
その後、家庭教師としてやってきた少女と仲良くなって恋をしたり、山の中で女の子を拾って助手にしたり、暗殺する対象に近付きやすくするため商人として成功を収めたり……と、急展開が続く。テンポが良いという言い方もできるが、説明的な文章が多く描写不足は否めない。後にハーレム要因となるだろう少女が何人も登場しているのに、彼女らとの出会いの描写も省略気味というのはいただけない。
私は、月夜涙さんの作品の面白みは「
回復術士のやり直し」に代表されるような、主人公の直截な(もしくは、下種な)行動にあると思う。いわゆる「ざまぁ」展開のときはもちろん、それ以外のときも、細かい部分を飛ばして一気に解決まで持っていくところに爽快感がある。バトル展開のときも、戦略の面白さで魅せるわけではなく、ある種開き直ったような展開でざっくりと解決するのは清々しい。
その点、この作品は爽快感が薄い。
原因の一つが、詰め込み過ぎじゃないだろうか。
読み飛ばせばいいとはいえ説明文が多過ぎるし、その説明が面白いとはとても言えない。さらに、主人公に設定を詰め込み過ぎている。異世界転生ものというだけでなく、現世でも特殊な生まれにする必要があったのだろうか。一つ一つの設定にオリジナリティがあるというわけでもない。
過去の作品を見ても設定の妙で魅せる作家さんではないし、これらの設定が上手く組み合わさって面白くなるということはあまりなさそう。ならば、もっとシンプルで良かったのでは?
月夜さんの作品を読むのも久しぶりということで、(良くも悪くも)楽しみに読み始めたのだけど……うーん。「
魔王様の街づくり!」なんかと比べるとはっきり出来が悪いと思います。
ここまで導入で、これから面白くしていくつもりかもしれないけれど、ちょっと狙いが分かりにくい作品でした。
1. 無題
喋れば喋るほどボロがでるというか色々と成り立たなくなっていく。
自己分析しろってわけじゃないけも自分の過去作読んで、出来る芸当じゃないんだと気づいてほしい