(~113、最新話。第三章終了まで)
現在四半期ランキング五位の作品。作者の笠鳴小雨さんには、「
あの日地球にダンジョンが出現した」という書籍化作品があります。
https://ncode.syosetu.com/n8459gk/
(きちんとした説明はなかったと思うけれど)現代の地球にダンジョンが出現したという世界設定。主人公は、お金を稼ぐためダンジョンの荷物持ちの仕事をしていたが、ダンジョンが変異し、そのときの探検隊では太刀打ちできない強力なモンスターが出現する。散り散りになって逃げる途中で、主人公は生け贄にされるためタックルを受ける。絶体絶命の状況下で、主人公は天職を得る。
絶体絶命からの覚醒というのは、「
ありふれた職業で世界最強」などに代表される定番の展開。得た職が特殊過ぎるので隠すというのも定番ですね。
ただ、この小説では、自分を生け贄にしようとした相手の判断も合理性があったと認め許し合い、「なろう」定番の復讐に向かったりはしない。それは良い点だと思います。
「なろう」の敵役は、短絡的で頭の悪い人間が務めることが多いですが、そういった人間を出さず、ある程度合理的な判断をする人間たちで物語を回していく。
その方が読みやすいし、私は読んでいて安心します。
ストーリー自体は定番ですが、文章描写もしっかりしていて読みやすいと思います。説明や描写を書籍(のラノベ)で通用する程度にそこそこしっかり行い、かつブラウザ上でも読みやすい。この作者が特別上手いというわけではないですが、適切なバランスで書かれていると思います。
第三章で物語の舞台が別の場所に移り登場人物が一新したため、第二章までとは結構雰囲気が変わったのは読んでてちょっと違和感がありましたが、まあ許容範囲でしょうか。
ただ、世界設定はちょっと気になりました。
文明・技術が現代と変わらない世界でダンジョンが出現したという設定のようですが、その関係はどうなっているのか。科学技術を用いてダンジョンを攻略したりはできないのか、ダンジョン内のものをどうやってお金に変えているのか、といったあたりは気になります。
主人公がスキルでステータスを見たときにゲームみたいだと理解するシーンがあるけれど、ダンジョンがありふれている世界でも現代と同じようなゲームをやるだろうか……というのもちょっと不思議。
また、いくら「特級」とはいっても、主人公の天職だけが、ステータスとかクエストとかゲームっぽい要素を持っているのもバランスが悪い気がしました。今後それがこの世界の成り立ち等の設定と関わってくるのかもしれないけど、現状では、主人公一人だけゲームの世界にいるような違和感があります。特に、クエストは必要なかったのでは。
という感じで、設定面にやや難があると思うものの、全体としてはチート物として水準以上の出来だと思います。
1. 無題
読みやすい文章でキャラも比較的しっかり書き分けられていて王道ながら
主人公がどのように成長していくか楽しみに出来る作品かなと思いました。
ただちょっとテンポが悪いかなと感じたのと
世界観や設定、パワーバランスなどがチグハグで部分部分で違和感を感じる所があったかな